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よくいただくご質問
■中国医学で考える「がん」
6.癌治療、いわば”国家総戦力”と似ている
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 がん治療の主役は外科治療で、腫瘍を切り取ることです。外科治療は、がんの治療では最も長い歴史があり、適切な手術を受けることを否定する方は殆どありません。しかし外科の最高の技術をもってしても、がんの全部が治るとか、転移や再発を防ぐことはできないことが多いので、抗がん剤を用いることが原則のようになっています。
 さて、癌ができている患者さんを「宿主」といいます。患者さん(宿主)の抵抗力をはじめとしたいろいろな条件によって、治りにくかったり治りやすかったりします。
 抗がん剤を、一般の細菌感染の場合に使う抗生物質にたとえて考えてみましょう。抗生物質が細菌を一匹残らず全滅させるのではありません。抗生物質が細菌を弱めて、これに患者の方、本人の免疫抵抗力が協力して初めて細菌を全滅できるわけです。がんの化学療法においても、がん細胞を退治できるのは、抗がん剤と患者の方の免疫抵抗力の両方の力によるものです。
 先程、抗生物質と免疫抵抗力の総和で「全滅」できると一応説明しましたが、正確には全滅できないと私は考えます。それは例えば一旦治った若い時代の結核が、高齢になってから再発することを考えても全滅とはいい難いです。菌の種類にもよるかも知れませんが、結核菌にかぎらず、細菌はしつこいもので、「シスト」(cyst)といわれる抗生物質も殺菌消毒剤も届かない、殻のようなものに閉じこもってしまうようです。モミジの木に付くオコゼの殻のようなものを想像してみて下さい。細菌はこういう殻に閉じこもってしまうのです。現代の方にはオコゼの殻と言っても分からないかもしれませんが、空想科学映画の宇宙人が「バリアー」(防御壁)をかぶって、どんな武器からも身を守ってしまうようなものです。
 そして、患者の方の抵抗力がしっかりしているうちは、この殻の中でジッとおとなしくしていて、加齢など一旦抵抗力が弱ると、この殻からムクムクと起き上がってきて、分裂増殖を始めるようです。老人性結核とはこのようなことが多いようです。また細菌のみならず、ウイルスもこのようにジッとしていたり、抵抗力の低下に乗じて活動したりするようです。帯状疱疹(ヘルペス)はこういう成り立ちだといわれます。つまり、一旦我々の体にとりついた細菌もウイルスも、全滅することなく、「共存」しているというのが本当の姿のようです。ただ我々の抵抗力が勝るか劣るかによって、治っていたり再発してきたり、というようです。
 がんの場合も、細菌やウイルスと同様、治ったようにみえても、実は私たちの方が勝っているという状態で「共存」している可能性が高いとみるべきでしょう。 
 さて、このようなわけで、患者さんの免疫抵抗力を上げるための方法が、西洋医学でいう「免疫療法」というものです。この抵抗力は誰にでも一通りあるものですが、がん細胞は細菌やウイルスのように体外から侵入したものとちがい、もともと自分の細胞が変化したものですから、体の免疫力でこれを識別して排除してしまうことは、不徹底になりやすいです。
 しかし、まだがんと診断しにくいうちの場合や、がん細胞がわずか数百個くらいしかない様な場合や、がんの病巣を外科手術によって取り除いたあとなど、目に見えないのはもちろん、診断もつかないくらいの僅かな量のがん細胞ならば、「養生法」を取り入れ、免疫機構を活発にすれば、今説明しましたように、がん細胞を押さえ込める可能性は高いはずです。ですので、手術なり抗癌剤なりで、一応の「勝ち戦」になったら、直ちに漢方薬やサプリメントを用いるべきと考えます。再発してからでは、癌のような恐ろしい相手との戦いの戦況は"不利"になり、終始"負け戦"になりがちです。このようなことを含めて西洋医学でも免疫療法が研究されているわけですが、漢方薬やサプリメントを用いることは、このような患者の方、本人の免疫機構を正常化する手だてのひとつです。


1.はじめに
2.「情報系」の混乱としての癌
3.情報系の調和を取り戻すには?
4.放射線療法・化学療法が癌に効く理由とは
5.癌における中国医学の役割
6.癌治療、いわば”国家総戦力”と似ている
7.癌戦場の主力部隊と援軍
8.「羅針盤」の無い航海とは
9.むすび:少しでもお役に立てたらさいわいです

 

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